• できるだけ歯髄(歯の中にある神経・血管などの組織)は保存するべきなのですが、歯の組織は自己再生能力が殆どありません(不可逆性の疾患)。
  • 歯髄がむし歯菌の感染によって自己治癒が不可能になった場合、感染した歯髄組織を取り除いて、代用物を充填する治療です。
  • 治療には歯髄がある程度生きているときに麻酔をして行う麻酔抜髄処置と神経が完全に死んでしまって顎の骨まで感染を起こしかけているときに行う感染根管処置などがあります。
麻酔抜髄
  
  感染した歯髄を除去  →  ファイルで拡大  →  歯根に薬を詰める  →  緊密に充填する
根管治療のステップ

レントゲンでむし歯の範囲などを確認します

麻酔をして感染した歯髄組織を除去します
根管内の組織(歯の根の組織)や象牙質をファイル(細いヤスリ)で除去します(4〜6回)
完全にきれいになってから根管内を薬で充填します
詰め物をする・冠を被せる治療をします
感染根管処置
  
   感染した組織を除去  →  ファイルで拡大  →  歯根に薬を詰める  →  緊密に充填する
  • 感染根管処置はいちど麻酔抜髄処置を行ったのに根管内が再び感染を起こした場合に行う治療、または完全に歯髄が死んで顎の骨まで感染が及んでいる場合に行う治療です。
  • 手順は麻酔抜髄処置と同じです。
  • 治療回数は症状にもよりますがのべ5〜10回(週1回の通院)
  • 歯髄組織と根管は湾曲したり複雑に枝分かれしているため完全に全部の組織を除去するのは不可能に近いのです。そのため再発することが時々あります。
  • 歯の神経をとったのに痛みが出たり腫れたりするのはそれが原因です。
治療を受けているとき・受けた後の注意
  • 痛みがあって治療を受けた場合、症状が落ち着くまで少なくとも2〜3日かかります。
  • 強く咬んだり、硬い物を咬まずにできるだけ安静にしてください。
  • 自覚症状がなくても骨のなかに病巣があって治療を受けた場合でも、治療の刺激によって反応性の炎症が起きることがあります。
  • 痛みがあるときは鎮痛剤を飲んで安静にしてください。
  • 痛みが治まらない、だんだんひどくなってきたなどの症状がある場合、急性の炎症が起きています。炎症を抑える治療が必要になりますのですぐに連絡してください。
  • 痛みがなくなったといって治療を中断すると、再発したり症状が憎悪することがあります。最後まで治療を続けてください。
  • 神経のない歯は枯れ木のようにもろく割れやすいので、食べたり咬んだりするときは注意してください。